2012年12月16日日曜日

self portrait

 戦時中に作家が何を考え、どの様な文章を書いたか。という事には元々、興味があり。それに対する太宰治や坂口安吾などを対象とした論考はいろいろなところで眼にする。そんな中、手塚治が戦時中にどの様な漫画を描いていたか。という論考を最近読んで、実際にその漫画作品を読んでみたいという思いがずっと頭の片隅にあった。今日、たまたま寄った書店で、『手塚治虫漫画全集未収録作品集』なるものを発見して、購入してしまった。特に有名な「勝利の日まで」という作品は作者特有の記号的なキャラクターとリアルな戦闘機などの対比がやはり印象的だ。更に最後の「本格的な焼夷弾攻撃には四坪に一個の割合で油脂焼夷弾が落下する」という文字だけのコマがあるが。この平坦な一文に至る、作者の葛藤に想いをめぐらせる資格が今の自分にあるかどうか、自分には自信がない。

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